5G

5Gの覇者もやっぱりAWS!キャリアネットワークまでWavelengthでお迎え

5G

4Gと比較すると下表の通り。ただし5Gの低遅延速度の恩恵をシステムトータルで生かそうとすると、携帯基地局のネットワークにサーバーを配置する必要がある。


4G5G
通信速度最大1Gbps最大20Gbps
同時接続数10万台/平方km100万台/平方km
遅延速度10ms1ms

MEC

 ただし5Gの低遅延速度の恩恵をシステムトータルで生かそうとすると、携帯基地局のネットワークにサーバーを配置する必要がある。この方式を、MEC(Mobile Edge Computing)と呼ぶ。なお、ここでいうエッジとはクライアント機器を指しているのではなく、モバイル回線網とインターネット回線の中間あたりのサーバーを指す。 

引用:5GにおけるMECの概要(QIITA) 上図:without MEC、下図:with MEC

AWS Wavelength

 ネットワークにつながコンピュータであれば、AWS技術者が使い慣れたAWS技術を導入できるようになってきいる。クライアント通信機器向けにはAWS GreenGrassサービスがあるし、オンプレマシン向けにはAWS Outpostがある。そして、キャリアの回線網にAWS技術を入れたのがAWS WaveLength。こうすることで、リージョンで処理する場合と比べて、インタネット回線のホップ数を回避できるため、msオーダーの低レイテンシを実現可能になる。導入場所の違いによるサービス名をまとめると下表になる。

導入する場所AWSサービス名
クライアント通信機AWS GreenGrass
オンプレマシンAWS Outpost
リージョン以外のAWSインフラAWS LocalZone
キャリアのサーバーAWS Wavelength

 Wavelenghthでは、利用できるAWSサービスが限定される。AWS IOT COREのようなリージョンサービスは、まだWaveLengthでは使えない。

ただし、Wavelengthだけで5Gの恩恵が受けれるかというとそうでなく、いくつか課題があるよう。キャリアの回線網からインターネット回線に出るまでの間にいてるNTTのネットワーク網(NGN)の終端がボトルネックになるときもあるらしい。

IoT/5G時代に向けての課題 JAIPA資料より

関連業界の反応

 Wavelenghthが日本で発表されたことに対する反応。

Classmethod

さすがクラスメソッドさん。キャッチアップが早い。

 

SORACOM

 IOTのパッケージサービスの得意なソラコムさん。ユーザ起業向けのサービスパッケージ開発スピードが早い。wavelengthを使ったサブスク費の「安い」パッケージサービスに期待。

SORACOMさんによるWavelength紹介スライド資料

その他の5Gへの取り組み

Microsoft Azure Arc

 AWSのライバルであるMicrosoftもAT&Tと組んで、MECを展開。MECを含んだ包括的なサービス名称がAzue Arc

AECC

 インテル(Intel)、エリクソン(Ericsson)、デンソー、トヨタ自動車、トヨタIT開発センター、日本電信電話(NTT)、NTTドコモの7社は2017年8月10日、自動車ビッグデータ向けネットワーク基盤とコンピューティング基盤の構築を目的とする「Automotive Edge Computing Consortium(オートモーティブ・エッジ・コンピューティング・コンソーシアム、AECC)」を創設。

インテルGoプラットフォーム

 トヨタの先行開発部署とNTTでエッジコンピューティング標準化の動きをしているが、多分、標準化はうまくいかずに、GAFAの商用展開のスピードに負けると思う。ソフトやクラウドのコアコピタンスを持ってないプレイヤでは遅い。

所感

 従来、AWSがサーバーPCに採用しているコンピュータの多くはintel製だったが、AWSはイスラエルのAnnapurna Labsを買収して、消費電力の少ないAWS製チップ「Graviton」を2018年に開発。intelに対する価格牽制のパフォーマンスかな?と思ったけど、順調に性能進化してGraviton2が登場している。AWSはサーバーマシンまで自社開発できるようになった。さらに、通信回線についても、インタネット通信衛星を打ち上げ始めた。自動車の分野だと、インテル参加のMobileEyeのチップを搭載したサーバーマシンが、AWSのMECに採用されると、東京リージョンとMobileEyeをつかったMECの両方を使えてしまうので、自動車IOTのプラットフォームの1つができてしまう気がします。

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