この記事について
この記事の対象読者
- 将来転職を考えている方。
この記事から得られること
- 普段から自分の仕事を会社に根ざしておくようにすることで、円満退職になりやすい。
あらまし
技術系の仕事では、しばしば、「属人化」と呼ばれる、あまり健全ではない状態に陥りやすい。属人化は、その原因によって3種類に分かれます。それぞれ改善マネジメントが異なるので参考にしてみてください。
属人化とは?
属人化とは本来、会社に属すべき仕事が、個人に深く属している状態のことを言います。「あの人がいないとそのプロジェクトはいっさい進まない、あの人が退職するとプロジェクトが破綻する」といった状態のことを言います。属人化状態が長期間続いて放置されると、転職時の引き継ぎがスムーズに進まず、場合によっては、あなたの転職が所属企業に損害を与えるという解釈をされる場合があります。将来転職を考えている方は自分の状態がどうなっているかをチェックしてみてください。
3種類の属人化
本人に原因がない属人化
単純に、人が足りてなく、特定の人に業務が集中し、マニュアル作成や、標準化、ナレッジマネジメントの工数すらないケース。小さい組織でしばしば起こる。このケースの場合、部下側は悪くなく、マネジメントの問題なので、上司側は属人化している人の仕事を他の人に負荷分散すること。チーム全体の工数がオーバーしている場合には、
- チームへの業務インプットを減らす
- チームメンバを増やす
- 納期をコントロールする
- 適度にジョブローテーションをする
といった全体の業務量マネジメントを、上司側がすべきです。
本人に原因があり本人に自覚がある属人化
本人(部下側)しか知らない情報を、どんどん本人が増やしていき、その組織にとって必要不可欠な人になろうと意識的に情報を独占するケース。本人が意識しているので確信犯です。上司側は、本人にその行為の組織運営上のマイナス面を理解してもらうよう説明する。このケースだと、多くの場合は、改善される。(上司側の言い方は、パワハラにならないように配慮が必要)。なお、上司側の管理職が、このケースになることも多い。あくまで自分の保身のためのセコイ生存戦術だと自覚しよう。組織内の情報格差のみで生き残れる時代は終わってるので古い戦術に頼らず自分の問題解決力や発想力で生存するようにしましょう。
本人に原因があるが本人に自覚がない属人化
もっとも厄介なのが、このケース。本人(部下側)の生存本能・防衛本能からくる無意識の情報囲い込みなので、属人化の度合いが深く、さらに、本人には、業務のスケールアウトの必要性が、あまり理解できない。というか、本人にとっては、その組織のミッション達成よりも、自分の地位保全の方が重要。このケースの場合、単純に人を増やしても、スケールアウトするのに、長い時間を要する。本人はマニュアルを作っても、その場所を展開しないなど、情報の囲い込みは改善されないことが多い。上司側は根気強く業務を組織に根付かせるマネジメントをしていきましょう。BackLogやRedmineといったナレッジマネジメントツールを導入して、普段からチームに情報をオープンにする文化を醸成しておきましょう。
もしあなたの仕事が属人化してるなら
そもそも、属人化戦略に頼ってる時点で、自分のペースで1人だけのレースをしたい(楽をしたい)という心理であることが多い。つまり、他メンバとの競争を避けているのだ。情報以外の武器がなく、弱い自分を、周囲との情報格差で守っているのです。ちょっと俯瞰して自分の状況を見てみよう。効率的に情報をメンバでシェアする新しいナレッジマネジメントツールが沢山出てきており、その組織内で自分しか知らない情報を蓄積して、自分の代わりがいないような状況を作り出すことが、難しくなっていきます。そんな時代に、情報ベースの生存戦略では生き残れない。情報だけの属人化戦術は、やがて破綻していくでしょう。本(知識)はみんなが見れる本棚で保管されます。
一方、真に実力のある人は情報をどんどんシェアする。それでも、周りはその人を必要とする。その人に相談すれば、自分では導き出せない答えを導出してたりアイデアをくれるからです。周りから、知識・情報で必要とされるのではなく、能力で必要とされる人材を目指した方が良い。自分しか知らない情報に頼った生存戦術では、やがて、自分が淘汰されていくということに早く気付くべきです。情報ベースの属人化をしないと生き残れないなら、その程度の実力なのである。
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