WORK SHIFT

WORK SHIFT 『キャリアップ転職の繰り返しが独立不覊への王道』

この記事について

この記事の対象読者

 挑戦したいけど現状に甘んじている人。環境変化への具体的なキャッチアップ方法がわからない人。

この記事から得られること

 挑戦しつづけなければならない理由が理解でき行動に変化が起きる。 

本を読んだ経緯

 当時の私は、成熟産業でしばしば見られる典型的な蛸壺組織に所属していた。その組織には役職定年の仕組みが作用しないため、上層部が変わらず、糞詰まりの状態で、若い時に獲得したスキルセットで定年までいかに逃げ切るか?いかにその組織内にしがみつくか?みたいな人が多かった。今思えば、その組織内での業務は、勝算が見えたことしかしないから一見高度なように見えても実はオペレーション(ルーチンワーク)だということが今は理解できる。冷静に考えると、昔に獲得したスキルセットで定年まで逃げ切れるメリットって、「楽できる」だけ。強く成長を望んでる人にとっては、退屈な安泰よりドラマのある成長のほうが楽しい。

著者

 リンダ・グラットンさんは、イギリスの組織論学者、 コンサルタント、ロンドン・ビジネス・スクールの管理経営学教授及び彼女自身の組織行動論上の実績で有名なHot Spots Movementの創業者である。

引用:Wikipedia

内容

 この本は、技術の進化が加速した現在では、漫然と生きて従来の「ジェネラリスト」になるのではなく、主体的に異分野を渡り歩き、挑戦し続ける「連続スペシャリスト」を目指してシフトを繰り返さないと、淘汰され貧困側になってしまうということを、いくつかの事例で分かりやすく書かれてます。また、幸せに生きるためには、社会環境の変化に対して自分自身の行動や価値観(物質的な豊かさから精神的な豊かさ)のシフトも必要になるとも書かれています。

<a href="https://pixabay.com/ja/users/webandi-1460261/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=2435946">Andreas Lischka</a>による<a href="https://pixabay.com/ja//?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=2435946">Pixabay</a>からの画像

第1部 何が働き方の未来を変えるのか?

テクノロジーの進化

 テクノロジーは常に、仕事のあり方と人々の働き方に大きく影響。世界の50億人がインターネットで結ばれて地球上のいたるところで「クラウド」を利用できるようになる。

グローバル化の進展

 グローバルな世界が出現したこと、特に、中国・インドの経済発展が目覚ましく人材輩出国としても台頭。

人口構成の変化と長寿化

 寿命が長くなり、国境を越えた移民が活発になる。

社会の変化

 家族のあり方が変わり規模が小さくなる、女性の力が強くなる、バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える。

エネルギーと環境問題の深刻化

 2030年頃までには、エネルギー(価格)と気候変動の問題が世界の最重要課題に浮上。

<a href="https://pixabay.com/ja/users/drpepperscott230-1212529/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=848300">drpepperscott230</a>による<a href="https://pixabay.com/ja//?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=848300">Pixabay</a>からの画像

第2部 漫然と迎える未来の暗い現実

いつも時間に追われ続ける未来

 通信端末などのテクノロジーの進化と、24時間休みのないグローバル化する社会。

孤独にさいなまれる未来

 エネルギー価格の上昇による移動コストの上昇、核家族化、離婚の増加する社会。

繁栄から締め出される未来

 才能とやる気と人脈が経済的運命の決定要因となり、Winer Take Allの社会。

<a href="https://pixabay.com/ja/users/bananayota-20054590/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=5956897">Bananayota</a>による<a href="https://pixabay.com/ja//?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=5956897">Pixabay</a>からの画像

第3部 主体的に築く未来の明るい日々

コクリエーションの未来

 イノベーションはコラボレーション的・ソーシャル的になり多くの人の貢献で実現するものになる。

積極的に社会と関わる未来

 仕事、社会奉仕、育児、地域活動など、さまざまな要素のバランスが取れた男性が増える。

ミニ起業家が活躍する未来

 テクノロジーの進化による生産性の向上などが要因となり情熱あることに取り組むミニ企業家が増える。

<a href="https://pixabay.com/ja/users/startupstockphotos-690514/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=593341">StartupStockPhotos</a>による<a href="https://pixabay.com/ja//?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=593341">Pixabay</a>からの画像

第4部 働き方をシフトする

第1のシフト ゼネラリストから連続スペシャリストへ

 ゼネラリストがキャリアの途中で労働市場に放り出されるケースが増える。「なんでも屋」はウィキペディアやグーグルなど、知識や分析を手軽に提供する技術と競うことになる。

第2のシフト 孤独な競争から協力して起こすイノベーションへ

 意識的・主体的な選択と行動が必要。関心分野を共有する集団(ポッセ、ビッグアイディアクラウド、自己再生のコミュニティ)意識的に協力する。

第3のシフト 大量消費から情熱を傾けられる経験へ

 「仕事の目的はお金を稼ぐこと、人生の目的はそのお金で消費すること」という発想から脱却。時間とエネルギーを仕事に吸い取られる人生ではなく、もっとやりがいを味わえて、仕事を情熱にするバランスの取れた働き方へシフトする。

<a href="https://pixabay.com/ja/users/urirenataadrienn-16479117/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=5166749">Renáta Adrienn Uri</a>による<a href="https://pixabay.com/ja//?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=5166749">Pixabay</a>からの画像

感想

 社会環境の変化、働くこと、幸せの定義、について洞察の深い本。2012年初版ですが10年以上たった現在まさに予測通りの世界になってるから未来に対する高い洞察力に驚きです。確かに挑戦することは負担/困難/リスクを伴う。新しい分野では初心者に戻って、アウトプットを出せるようになるには、地道な勉強が必要で、不安や自分を疑い始める時もある。この本を読めば、それでも勇気を出してシフトすることが大事だということがよく理解できます。

自分のワークシフトの実体験

 この本に感銘をうけて、オールドエコノミーの世界からニューエコノミーの広い世界にワークシフトして、価値観が変わった。ITの世界には、成長し続ける”本物”がいた。彼らは、スキルセットを補充し続けないと自分の価値が下がることを知っている。凄い速度で進化する成長領域のITエンジニア達は、とても真摯な勉強家が多かった。彼らとオールドエコノミーの人との思考は180度逆で「できないことをする」。なぜなら、できることばかりしていたら課題解決力や理解力を向上させないから。せっかくスキルをつけてアウトプットが出せる状態になったのに、その武器で楽をしようとせずに、また新しいことに丸腰で挑戦(転職)していく。そうすることで彼らは理解力と課題解決力を磨き続けている。その侍のような生き方にとても惹かれた。ITの世界は、会社や組織ではなく、ByName の実力主義の世界。挑戦の連続は、成長と収益という2つのリターンを与えるんだということを実体験で理解した。

 私が、あのときこの本を読んでいなかったら同じ分野の仕事をずっと続けて今の資産状況に到達していなかったと思います。まだ、本書を読まれてない方で、長期間、同じ分野の業務をされてる方は、少し立ち止まってじっくり本書を読むことを強くお勧めします。

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